メッセージ

松元ヒロ メッセージ

私のライブは、まず政治の話から入ります。テレビには不向きだと言われます。でも、客席にはテレビ局の関係者が多いのです。終わると楽屋に来て「いやあ、面白かった。テレビでは無理ですけど…」と笑いながら帰って行かれます。その噂を耳にした、故郷の鹿児島テレビのプロデューサー、四元さんが観に来て「これをテレビで放送できない、というテレビの方がオカシイです。撮らせてください」と撮影が始まりました。放送されると、「良くぞ、放送した」と放送文化基金賞など放送賞を総なめに。「テレビ局にもこんな人がいるのだ」と私は感動しました。審査員の方々も私と同じ思いだったのでしょう。受賞をうけて全国で再放送されましたが、放送時間は午前四時頃から…「知っていたら観たのに」と沢山の人に言われました。すると四元さん、「映画にしましょう!」。
松元ヒロ
さあ、「知っていたら観られます」みんなに教えてあげてくださいね。

スタッフ メッセージ

  • 「不寛容な時代」と言われている。異質なモノ(意見)を攻撃し、排除する風潮。この社会を反映するかのように、私たちのテレビの世界にもその波は押し寄せている。少しでも世の中と合わない意見や表現方法をすればすぐにバッシングに晒され、取り除かれていく…。いつしか、「批判されないこと」が最優先になり、コンプライアンスの名の下、この流れは加速する一方だ。そうした中、芸人・松元ヒロと出会った。
    理不尽な世の中に「笑い」で一言モノ申す。自主規制は一切無い。舞台会場は満員、しかし、テレビでは会えない…何故か。カメラを向けると、見えてくる。規制に縛られた既成のメディア、言論と表現の自由、モノが言いづらい世の中…社会の空気に流される自分たち(テレビ)の姿があった。これからのテレビはどう在るべきか。このドキュメンタリーは僕らなりの、テレビで会えない芸人への挑戦状であり、感謝状である。

    監督
    四元良隆

  • 撮影初日、頭に引っかかっていることがあった。テレビに出ないという芸人をテレビに出すことに何の意味があるのか。ポリシーを曲げさせることにならないか。テレビのエゴなんじゃないか。カメラを向けることの正義が自分の中ではっきりしない。迷いの中のスタートだった。
    政権批判、原発問題、天皇制…。テレビで流せば賛否を巡って炎上する“かもしれない”テーマに、ヒロさんは笑いを武器に切り込んでいく。ヒロさんにとって、それはタブーなどではなく日々の暮らしの話でしかなかった。毎日のニュースに疑問を持つこともなく生きてきた私は、その姿に引かれていった。誰かのために怒り、涙を流すことができる人間としての魅力に、引き込まれた。 撮影を終える頃、ヒロさんの姿をたくさんの人に見てもらいたい、心からそう思った。そして、この映画が社会や政治に目を向けるきっかけになってくれることを願う。きっとそれは、あなたの“暮らしの話”のはずだから。

    監督
    牧祐樹

  • 国内総生産・世界第3位。報道自由度ランキング・世界第67位…。コロナ前、私たちはとんでもない世の中にいた。「とんでもない」を作った下手人の一人は私であり、アナタなのかもしれない…。でも、私たちは息をし、ゴハンも食べ、間違いなく生きているわけで、それはそれですごいことだと思う。私は、ウィルスの脅威に怯えて巣籠りを続けながら、何か見つけられないかなぁ~と、ただ妄想するばかりだった。しかし、私はとんでもなくラッキーだった。松元ヒロさんと出会い、映画作りに関わり、何かというか、ソレというか、が見つかったのです。そう、見つけちゃったのです。発見したアレについては、ここには書きません。本作『テレビで会えない芸人』を観た人に、こっそり耳打ちしたいと思っています。

    プロデューサー
    阿武野勝彦

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